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ダルモア Dalmore 32yo 1974 (52%, OB for LMDW France, Mathusalem Sherry butt, 780 Bts., 2006)

タケモトカツヒコ
タケモトカツヒコ
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タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】BAR飲みのため非公開


【ファースト】:高貴なシェリー香 濃い琥珀 ブドウは渋い感じ 干し柿 レーズン アルコール感 キャラメル レザー バナナ オレンジ 燻製 魚系ダシ

【ミドル】:ボディはまろやかで角がない 渋みが優位 ブドウ レーズン プルーン 焙煎の深いコーヒー 時間と共に湧き上がる麦感

【フィニッシュ】:返り優先 鼻抜けもいい 後味に渋みのコーディング チョコレート 水分を奪う


ダルモア1974 マツサレム シェリーバット。

マツサレムは、ヘレス最大(というよりも世界最大)のシェリー生産者、ティオペペでも有名なゴンザレス・ビアスの最高峰ブランド。30年以上の熟成を宿命づけられた逸品。

ダルモアは8割以上をファーストフィルのバーボン樽で熟成していますが、その過程で最善な樽へと移し替えられ、最終的に全てシェリー樽でマリッジすることが公になっています。

正直なところ、私はここ数年前まで、そのダルモアらしさというものを完全に誤解していたと今では思います。

濃厚なシェリーが、甘さだけではなく革っぽさ、多種類の果実、スパイス、渋味、カカオや豊富なシリアル、ミネラル分と渾然一体になって、分離されることを嫌うかのように完全融合しているスタイル。

何種類かではなく、何十種類なのか何百種類なのか、そんなことを数えていくことに価値がないのではないかと、トータルで他に追随を許さない”複雑なフレーバーの融合体”を提供しているのがダルモアなのだと思います。

本ボトルは幸いに入手することが出来て、何種類かのシガーと合わせてみましたが、ダブルコロナやチャーチルと非常に相性が良く、クールスモーキング状態で、ブルーベリーと生クリーム、ヨーグルトのようなフレーバーが飛び出してきたときには、正直腰を抜かしました。

決して勧めるわけでもない、自分としても褒められた嗜好ではないとは常々思っていることなのですが、リチャード・パターソン氏もまた葉巻愛好家であり、彼が時間を止めるとき、単純には理解出来ないフレーバーの塊が必要なのかなと、感慨を深めました。