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【最高のドシェリー選手権】-1

以前、「最高のウイスキーとは?」という記事を書かせていただきましたが、そのとき同様、私が書く「良し悪し」「美味しい美味しくない」という表題の話は、特に客観的な根拠があるわけではなく、あくまで主観的に、部分的に一緒に飲んだ方々の反応解釈を含んだ間主観的な話であることをご了承ください。

ただ、あえて書くからには、筆者が他のドリンカーにとっても参考程度にはなるのではないかと思えるに足る内容をご提示したいなと考えています。


<ドシェリーとは何か?>

【最高のドシェリー選手権】という表題は、なるべく正しく表記するのならば、

【最高に美味しいと思える、濃厚シェリー樽熟成ウイスキーを順位付けしてみる企画】

です。

これは非常に難しい主題です。

なぜなら、そもそも「ドシェリー」「濃厚シェリー樽」の【範囲決定が難しい】からです。

1stフィルのシェリー樽熟成に限定!

とかしてみたところで、1990年以降に流通した、ボトラー詰め(のスコッチウイスキー)に極めてまれに表記があるだけで、その他の特にオフィシャル詰めには、あっても「シェリーカスク」などの表記があるだけで、何回(リ)フィルしたのかなど知る由もありません。


<カラメル問題>

また濃度の問題についても、スコッチウイスキー法においても、カラメル添加が認められているために、数回リフィル後の、仮にシェリー樽熟成表記のあるボトルでも、外から見れば「ほぼ真っ黒並み」などということは、よくあることです。

<カラメル問題2>

それでもまだ、シェリー樽熟成品であれば良いほうなのですが、「何回も詰めなおした経緯のある」バーボン樽(ナチュラルカスクとも呼ばれる)で熟成されたウイスキーであっても、そこにカラメル着色をすると、外から見ると「真っ黒」です。

これは「ラガヴーリン16年OB事件」としても有名で、世界5大ウイスキーライターを自称する日本の方が、自著にシェリー樽熟成と記載したものの、本当はラガヴーリンは16年熟成のレギュラーOBに、そもそもシェリー樽熟成モルトウイスキーを使ったことがなかったという、公式回答がやってきたという事件です。


<ドシェリーの範囲>

ということで、1stフィルかどうか、濃厚か否かという前に、せめて「シェリー樽熟成品」であることはラベルに謳っていることが、必須なのかなと考えました。



そうすると、例えばサマローリのブーケット・ボウモア1966などは、ラベルにシェリー樽表記もありませんし、ノンカラーリング、ノンチルフィルタリングこそは裏ラベルに「赤枠」をもって謳われていますが、今回の選手権(者・ボトル)候補にはなりえないということになってしまいます。

個人的には、ブーケットボウモアは720本リリースされた、少数樽ヴァッティングによる「バランス型」の筆頭だと思えますが、そもそもシェリー樽熟成であるのか?と言われると、分からない~大勢がバーボン樽ではないのかという、あくまで予想しかできません



<ドシェリーの範囲2>

あくまで飲んでみて、外見もそうで、ラベルにも「シェリー樽熟成」が謳われているボトル群。その中から選手権試合をしてみようと。

そんなことに意味があるのかも、定義上あいまいですが、まあ見切り発車してみたいと思います。


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このボトル(1966 Bowmore “Bouquet” by Samaroli)には、表裏ラベルいずれにも樽種(カスクタイプ)や樽番号の明示がありません。裏ラベルにあるのは

“È come bere direttamente dal barile”

(直詰樽出しそのまま)

という文言だけで、具体的な「シェリー樽」「バーボン樽」「ホグスヘッド」「バット」等の記載は一切ありません。

樽種の推測

  1. Bowmore 1966 ヴィンテージの一般的な樽使い
    – 当時のBowmore蒸留所では、主にアメリカンホワイトオーク製の元バーボン・ホグスヘッド(ex-bourbon hogsheads)で長期熟成を行っていました  。
  2. 公式50年リリースの事例
    – 同じ1966蒸留のBowmore公式50年(Single Cask #5675)でも、ex-bourbon hogsheadが使用されていると公表されています  。

したがって、本作も複数のホグスヘッドをバッティング(ヴァッティング)した「元バーボン・ホグスヘッド熟成」と見るのが自然ですが、あくまでラベル上の明記はなく推測の域を出ません。