先週末の土曜日は20年に一度の大雪。
でもそんな中、トラットリア(笑)スコティッシュパブ・アラサイドの一部をお借りして、
今年一発目の川口会を開催、夜通し飲んでまいりました。
雪国育ちの自分としては、この程度の積雪は別に問題ないよねくらいの気持ちでいたわけですが、案の定首都機能は麻痺w
しかし電車は遅れながらも動いていましたので、8名の勇者が川口に集結し、
持ち寄ったボトルに、チェイサーはギネス1パイントっw
流石アラサイドさん、フードも良いし、ビールがうんまい!
雪であがったテンションも手伝ってか、過去最大級の盛り上がりとなりました。
(通常営業中なのに騒がしくて申し訳ないです。本当にありがとうございました!)
その川口会では、2種類(正確には3種類)のブラインド出題が仲間内であったわけですが、
今日は自分がブラインドテイスティングで提供した、このボトルを晩酌。
ダルユーイン
DAILIAINE
Whisky link
Selection No.1, “Cure”
1973-2011(38年)
700ml 54.5%
※開封2年経過
上品なオーク香、熟成を感じさせる複雑さがある。白葡萄や白桃を思わせる果実香、
バタークッキー、カスタード系の甘さ、徐々に麦芽の香りが広がる。
口当たりから厚みのあるフレーバーが開く。イチゴの白い部分を思わせる果実系のほのかな酸味、
白葡萄、すぐに豊富な麦感、麦芽糖のような蜜系の甘さ、余韻はスパイシーでややオイリー。
雑味が屋台骨として黒子に徹しており、その上にメインのフレーバーがしっかり。全体がきれいにまとまっている。
ダルユーインの特徴は、ナチュラルな麦感。それも外側の殻ではなく、
中身の芯のほうの白い部分、これをダイレクトに感じるフレーバーがあり、
その上で、シェリーであったり、ウッディな樽感であったり、ピートであったり、
様々な味付けがされるものと認識していますが、このボトルはその麦感に綺麗にフルーツが乗っており、
甘口シェリーやトロピカルフレーバーなどわかりやすいタイプでは無いですが、通好みな旨みの厚いボトルに仕上がっています。
オードやクライヌリッシュ、プルトニー、あとはバンフが好きな人はストライクゾーンだと感じます。
ただ、このボトルは少々不遇でした。
2011年当時、まだ60年代や70年代初頭蒸留のボトルが普通に買えたことで、選択肢が多く、
また、同時発売したカリラがわかりやすい味わいで旨かったことや、
ダルユーインというマイナー銘柄ということもあって、ちょっと埋もれていた感がありました。
また、これは関係者レベルの影響ではありますが、ボトリングサンプルと、
ボトリング後の味がちょっと違っており、サンプル時はキレイに厚みを感じる味わいがあったところに、
ちょっとした苦みというかえぐみが加わってしまった、アクシデント※がありました。
(それでも口開けボトルのブラインドテイスティングでは、高評価をいただいています。)
しかし、それはボトルのその一時の姿であり、
いわゆる「盆栽」や、抜栓後の「慣れ」で、良いも悪いも変わってくる一面があります。
私自身1本抱えじっくり飲んできた中で、個人的に好ましいと感じる変化があったため、
久々にみんなの感想を聞くかと、今回ブラインドに出したところ、
正解者は無し(WL的には問題じゃ無いか?w)ながら、素直に旨い、今なら買うべきボトルとして高評価。
開封2年でポテンシャルを発揮する、中々腰が重いモルトですが(笑)
これほどなら、ちゃんとした環境下で保存したなら将来は抜栓後から大化けが期待できますし、
個人的には第2のミズハシとして、10年後のドリンカーに評価されているボトルだと思います。
つーか何で俺このボトル1本しか買ってないwww
今回、実はタケモトさんに飲ませるために持って行ったんですが(勿論ブラインドで)、
タケモトさんは雪のため上京出来ず、次回に持ち越し。次こそは飲んで感想を頂きたいなと思います。
まぁ、、、そのときまで残っていれば、ですけどw
川口会ネタ、しばらく続きますが、今夜はこの辺で。
※サンプルを樽から直取りした場合に起こりうるアクシデント。樽の中のウィスキーの味は均一ではなく、
内側の樽材よりの部分と、中央の部分で若干異なることがあり、それがボトリング時には全て混ざります。
さらにボトリング設備の影響も受けるわけで、これらの積み重ねが大きな変化に繋がることもあります。
必ずしもネガティブに作用する訳では無いですが、この変化がボトリングの難しさでもあります。
なので、サンプル試飲で予約などするときは、そのサンプルがボトリング後に小分けされたモノなのか、
樽から直取りなのかは確認した方が良いですね。