BOWMORE CLARET OB 56%
bottled in 2002, one of 12000 bottles BORDEAUX WINE CASKED
・香り:
みずみずしい熟したプラムとブドウ、熟したメロン、赤ワイン、カラメル、レザー、強いミント、ドライフルーツ、ナッツ、穏やかに主張するピート、土、ブランデーの入った高級チョコレート、奥に麦感とパフューム、80年代シェリーのようなもっさり甘い感じ。
・味わい:
しっかりブドウ、プラムなど熟したフルーツ、カラメル、チョコレート、土とピートは香りよりしっかり、徐々にスパイシーな刺激。80年代ボウモアのパフュームがしっとり主張、ワインカスクらしい粘性のあるベタッとした濃い甘味だが、ほど良い渋味とハイプルーフの刺激で引き締められている。ミディアム~フルボディ。
・余韻:
熟したフルーツとピートとミントがほど良い甘味・渋味と伴に長めに残るが、パフュームは思いの外残らずふんわり主張するのみ。心地良い。
・加水:
多少の加水では崩れず美味しいが、多めに加水するとパフュームが香りでも味わいでも支配的になる。甘味の平坦さも際立つ。
・総評:
非常に優雅なブドウ感が個性的なボウモア。
パフュームはしっかりあるが、好ましい一成分と思えるほど他の要素とのバランスが良い。
【Good/Very Good】
ボウモアクラレット。同じサントリー所有のシャトーラグランジュの樽で2年以上フィニッシュしたカスクストレングスのオフィシャルボトル。
一般に評判の良くないワインカスクフィニッシュ、しかも80年代蒸留原酒由来と思われるパフュームもしっかり感じられます。にもかかわらず、個性的でかなり美味しいボトルと感じました。その理由を自分なりに分析してみました。
まずワインカスクに関して、カベルネソーヴィニオンを使ったボルドーワインをしっかり感じるようなみずみずしい優雅なブドウやミントが充実しており、ワインカスク特有のベタッとした平坦な甘味もカスクストレングスのスパイシーと樽のウッディネスや渋味によってうまくマスクされており悪くありません。ワインカスクの良いところだけが上手く抽出されているような印象です。
次に、このボトルには80年代ボウモア特有のパフュームがしっかり感じられますが、これは本来私の苦手な要素で、 特に舌にずっと残り次の1杯にも影響するのがかなり嫌なのですが、これもカスクストレングスのスパイシー、ボディ、ピート、ミント、濃い甘味など、他の要素が強いためか舌に残らずパフュームは構成成分の悪くない一成分になっています。
ワインカスクフィニッシュとしても、パフュームがあるボウモアとしても、自分史上最高といえるボトルです。
T.Matsuki