Old Pulteney(オールドプルトニ-)
Distilled: 1996
Bottled: 2011
Age: 15yo
Strength: 61.7%
Cask type: Sherry
Cask No: 3557
About bottling: ドイツ向けオフィシャルボトリング
【テイスター:くりりん】
評価:★7/10
香り:ニス、古いタンス、無糖ヨーグルト。。。ニューポット系の溶剤っぽさと酸味を感じるフレッシュな香り。
時間と共に蜂蜜、バニラ、プルーン、甘みのある香り。序盤はあまりバランスが良い香りとはいえないが、
裏から出てくるフレーバーで多層的になり、アルコールのキックは強いが通好みの充実した香りに。
味:オイリーだがパワフル、一瞬赤ワインやシェリーにあるような果実感があるが、
すぐにプルトニーらしいバニラ、油絵の具、麦感がしっかりと広がる。微かな渋みは樽材由来か。
余韻はオイリーでレーズン、潮気、ほのかなスパイスが長く残る。鼻抜けもしっかり、
酒質の良さにシェリー樽の特徴が合わさり実に濃厚。若い原酒ゆえの特徴もうまく生きて、満足に値する一杯に仕上がっている。
まとめ:イカしたプルトニー。飲みなれた人ほど好む傾向にある味かもしれない。
まさに期待の若手、プルトニーの原酒不足が深刻という話も聞くが、ぜひこういったリリースを続けてほしいところ。
【テイスター:ゴーヤー】
評価:★8/10
色合い:オレンジ系のアンバー
香り:ハッとさせられるバランスがいいが厚みのある甘み&酸味、ハチミツ、甘くしたライムジュース、
バレンシアオレンジ、ミリン。時間を置くと、ナッティ&ヴァニリック&水蜜桃のようなフレッシュで芳醇な香りが出てくる。
ただし、アルコール感はかなり強い。普通に美味しそうな、最近のプルトニーカスクの香り。
味わい:口に含むと、柑橘系&シロップドロップ系のエステリー、バニラ、素性のよい麦系の甘味、
ナッティ&オイリー、蜂蜜、フレッシュで熟れたプラム、さらに樽のバニラを感じたと思ったら、そこからが長い余韻。
ああ、イイ果実香が開いている。フレッシュな、そして、青臭い感じはまるでないエステリーで引ける。
ゴブリンさんから今年の5月に69ファークラスと引き換えで強奪したプルトニー。
コメント書けといわれていましたが、だいぶ放置してしまっていました。スマン。
というわけで、オールドプルトニーですが、
90年代以降、評価に値しない蒸留所が多い中、プルトニーの酒質は一貫して通好みですばらしいものが多く、
特にオフィシャルのシングルカスクボトリングははずれが無いようにも感じます。
このボトルも例外ではなく、度数や若さゆえにとげとげしいところはありますが、
シェリーが濃すぎず裏から出てくるプルトニー由来のフレーバーが秀逸。個性の出方が良いんですね。
時代の流れでヘビーリーピーテッドだ、フルーティーだと、蒸留所のキャラクターを曲げてくる傾向が多い中、
この蒸留所は一貫してぶれない、無骨、媚びてないなと、そう感じさせるのです。
今回コメントを書かせてもらったこのボトルは、少し前のボトルでかつドイツ向けでもあるので国内でめぐり合うのは
なかなか難しいかもしれませんが、最近(2012年9月現在)有楽町や浅草ドラス等で開いている
オールドプルトニー蒸留所限定のハンドボトリングのシングルカスクは、14年と比較的若いながら、
非常にすばらしい味のあるイカしたモルトに仕上がっています。
さぁ、あなたもすばらしいオールドプルトニーの世界へ。