タケモトカツヒコ (プロフィール)
【短評】このボトルの凄さには複数のポイントがあると思います ①梅ジャムフレーバー ②ボディの時間差攻撃 ③圧倒的な麦感 ④フィニッシュの返りと鼻抜けの連動性 ⑤日本~アジア圏で特に馴染み深い、ダシの「うま味」
【スコア】100pts
【ファースト】:琥珀(時間と共にやや白濁) アルコール感強烈だが時間と共に角が取れていく 梅やシソの酸味(++) ダシ 麦感豊富(++)(焦げと いうより照り焼きされたよう) 濃厚な蜂蜜 酸味が落ち着くとともにミルクティー レモンティー オイリーさは粘性を感じる
【ミドル】:ボディは一瞬舌に浸透するように思えるものの、時間差で膨らみをみせフィニッシュに連結(フィニッシュの返りと鼻抜けが芸術の域)(++) 麦感 ココナッツ パンナコッタ ナッツ レモンの酸味 キャラメル クリーミーに変化していく
【フィニッシュ】:怒涛の返り(++)、その返りと連動している鼻抜け(+++)が素晴らしい 圧倒的に鼻抜ける やはり感じる魚系のダシ 照り焼き~焦 げた麦(++) 燻製されたハム 蜂蜜レモン 唐辛子 胡椒は少し 口腔全体に広がった後 下部手前にしばらく麦と蜂蜜、梅やダシが鎮座し続ける
サマローリ・ブーケット、オード1962/1984。世界中で名を馳せ、そして伝説となったボトル。。。
既に当サイトでも殿堂入りさせていただいておりますが、7月のイベントにて新たに開栓したためコメントを書いておこうと思います。
このボトルの凄さには複数のポイントがあると思います。
①梅ジャムフレーバー
②ボディの時間差攻撃
③圧倒的な麦感
④フィニッシュの返りと鼻抜けの連動性
⑤日本~アジア圏で特に馴染み深い、ダシの「うま味」
このうちの全て~いくつかは数樽をヴァッティングすることで初めて得られたものだと思います。
(全盛期の)サマローリは樽を買う前、瓶詰め前に必ず綿密なテイスティングを行い、気に入らなかったものは他社へ売却、さらにヴァッティングや加水をしたものは他社を圧倒する手間と時間をかけて後熟成したといいます。
近年シングルカスクのリリースが人気ですが、モルトウイスキーの人気は高まり、つい先日も台北で64年熟成のマッカランが史上最高額で落札されたばかり。
数樽をしっかりとしたテストののちヴァッティングし、700本を超えるリリースをする。おそらくは取り合いになる可能性も減り、単樽のリリースよりは価格を抑えられるでしょう。
そしてなにより多くのドリンカーが飲むことができて、実際本当に美味しければ、そのボトラーの名声は確固たるものになると思います。
今の時代そんなボトラーが現れてもいいのではないか。。。むしろ自分がやれるもんならやってみたいな。。。などと夢を見ながら、本ボトルを味わいました。
素晴らしくマリッジしたカスクヴァッティングの妙。。。