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Google Wallet に脆弱性 今後の展開を勝手に予想してみると面白いことに 2


【Google ウォレットに脆弱性2】


【もうひとつの経路】

そうなるともちろんグーグルだけが参入するのではなく、アップル、ヤフー、アマゾンも黙っていないでしょう。フェイスブックもそうですね。

もしかするとその前に、市場成立を待たず、グーグルにはVISA、フェイスブックにはAMEXなどと、各カード会社が「コンビニ銀行ATM」のように仲介業をはじめるかもしれません。

東京スター銀行など、新興の銀行がコストダウンを図り集客し始めると(現在の楽天銀行もそうかも)、見事に邪魔者扱いか、潰される実績が日本にもありますが、老舗の金融企業は結局のところ銀行証券保険含めて持ち合い、相互に支え合いの部分が奥底にはありますから、この体制が持続されることもありえます。

この経路の可能性も高いものの、いつまでたっても「クレジットカードブランド」という頭の上の重石は取れず、ウォレット作成企業独自のコストダウンや、認証方式を斬新に採ることは何時まで経ってもできないでしょう。

最終的には消費者も、先進的な技術革新の恩恵にあずかるまで時間がかかるだけか、コストアップのつけを払わさせるだけなのです。


【ハイリスク債券市場ができたら?】

#日本における近未来を考えてみる

もうこれはアメリカに本社を持つ、大手WEBショップが圧倒的に有利になるでしょう。

なぜなら、どこでも同じ物を買うことができるのなら、

「ユーザーは少しでも安く、ポイントもたっぷり貯まる」ほうがいいに決まっています。

またクレジットカード会社も銀行引き落とし、携帯料金はクレジットのポイントが貯まるからという理由で、クレジットカード会社経由にしているだけであって、結局は銀行口座から引き落とされることに変わりはありません。

これもハイリスク債券市場が成立することで、サービス提供者がわざわざクレジットブランドへ中間マージンを払う理由がなくなります。

さらに加えてハイリスク債券市場ができて、グーグルが「取りっぱぐれリスク」を市場に投げることが可能になったとしたら、投資家に肩代わりしてもらえるのですから、もはや損保会社への支払いさえも回避できるのです。

従来よりより薄利で、ポイントも高い率で付与することが可能となります。

 

#アメリカに本社を持つ企業と日本企業との対決

これは簡単に予想がつくでしょうが、「ユーザーが少しでも安く、ポイントもたっぷり貯まる」という理由で選ぶのであれば、その競争に日本企業はあっさり負けます。

なぜならアマゾン日本法人税訴訟がありましたが、アマゾンは「堂々と日本で販売行為を行なっても、千葉の倉庫から持って行こうと、日本に法人税は払わなくて良い」お墨付き(判決)をもらっているのです。

この時点でもはや楽天は脱落します。おそらくアマゾンで売っていないものを、それなりの付加価値をつけてモール出店者に売ってもらわなければ、大家(おおや)としても困ってしまうでしょう。

アメリカ本国の法人には、先進的な節税策、また福祉的、寄付的行為の免税、法人成りのしかたまで、日本とは大人と子供のシステムが成立しています。

おまけに外貨を稼いでくる企業には手厚くお出迎え、ですから日本のみでいくら従来から有名なモール企業であっても相手にならないでしょう。


【さらにもう一つの経路】

そう考えていくと、アメリカ資本のウォレット企業同士でも、行き着くところ「ポイント還元率」では次第に平衡化してきます。

まさしく、ヤマダ・ヨドバシ現象の再来です。

とはいってもアマゾンとグーグルなどは、ハード、ソフトで言っても、一部の競合を除いて「住み分け」するはずです。

割引合戦は行き着くところ利益を損ねます。

ここでもうひとつウォレットビジネスが成立する要点が出てきます。

「ユーザーが支払いを一本化したい、より汎用性のあるポイントに一元化したい」というニーズへの対応です。

これはまた行き着くところは、マルチID的な考え方へと終着します。

グーグル、フェイスブック、アマゾン、もしかすると(ないとは思いますが)Twitterも、加わるかもしれません。それらが共存共栄、つまり現状のVISA、アメックス、ダイナース、マスターカードなどなどの企業が「持ち合い関係」を構築しているように、マルチID化によってユーザーはカードブランドを選べる時代へある意味逆戻りするわけです。

まとめてみます。

「ユーザー数の多い企業のIDが、そのままウォレット」として支払いに使うことが出来て、ポイントも貯まり、銀行から引き落としを行ってくれて、貸倒し債権が市場に投げられてしまうおかげで、実在の店よりもはるかに安く、お得に買い物が出来るようになれば、「ウォレット」環境はネット上では万全に整備されたことになるのです。

しかしこれも行き着くところマルチID化によって共存共栄の道をたどるだけ。あとは多少のシェアの問題と短期キャンペーンのやり合いです。パチンコ屋の毎日イベントと同じです。

ユーザーはお得なときに、お得な方を使うだけであって、どれか一つに肩入れなどしません。

これまではWEB上の買い物の話でした。

続いて(または同時に)リアルへの対応が求められます。

ユーザーはコンビニに本屋、家電店と実在店舗でも、それらのWEBウォレットを使いたくなります。

それにはICカード化、携帯電話への内蔵。。。と、

使用するにも逐一ID入力の必要が無いことが求められます。

。。。。。。。

そうです。いくら考えていったところで、結局クレジットカード会社だった稼ぎの主体が、大規模ウォレットIT企業にただ入れかわっただけの世界がそこには広がっていくのです。

さてクレジットカードブランドの凋落はあるのでしょうか?