2/11のイベントも無事幕を閉じました。
ご参加いただいた皆様、今回は特に各参加者の方にご自身のボトルを持参していただく会でしたので、本当に皆さまのご協力があってこそでした。ありがとうございました!
ホテルでの開催でしたので、グラス絡みにはお手数をおかけいたしましたが、時間的制約が限りなく少なく、ゆっくりとしたペースで進行できたことは何よりでした。
全体的に印象に残ったことは、
【1】シェリー樽熟成品が多かった
→年末の会では「プレーン」な味わいを持ったボトルが多かったことも影響していたと思います。ちょうど次回ぐらいから良好なバランスになるのではないでしょうか?
【2】ヴァッティングのボトル、オフィシャルボトルが活躍した
→ブラインドテイスティングを行なって、さらにその結果を公表するスタイルである以上、ラベルの”箔”だけではなく、中身が率直に美味しいと思えるボトルを、参加者の皆さんが持参していただけたのだと思います。
実際に飲んでみて、驚くボトルも多くありました。
例えば、山崎1993プレーンオーク。私の印象はまさしくカリラでした。狙ったのかどうかも気になりますが、以前から個人的に課題となっていたジャパニーズウイスキー、特に近年蒸溜樽の幅広い方向性にも感心します。
バルベニー TUN1401 バッチ3。北米向けのバッチで、入手困難ですが、届いたばかりのボトルを飲ませていただけました。ブラインドなので、蒸溜年の離れもあるヴァッティングだという先入観なく飲むことが出来ました。
率直に美味しく、たしかにボディのラインはシングルカスクのようには行きませんが、良質な樽でしっかりマリッジされていただろうことが伝わって来ました。
ラガヴーリン21年OB。大阪から参加いただいたフーミンさんからのご提供です。まさに「甘さが特徴的なラガ」。それでいてフィニッシュの切れ上がりは、ラガならでは。これはプレミアムが付くのも仕方ないですね。
カリラ、ラフロイグと比較的熟成年数が長い、アイラのプレミアムクラスは、「通常一般のアイラらしからぬ甘さ」が決め手なのかなと妙に確信しました。多少ベタつきがあっても、それが意外性を持ったといいますか、特にヘヴィーピーテッドかつ、良質な甘さが相まうと、それが格別な印象を与えるのだと思います。
ロイヤルロッホナガー、アベラワー8年1964角瓶。以前から印象に残っているものと思っていたボトルが共に素晴らしい状態で出てきた時に、自分の記憶と差異が生じるということなのでしょう。
このあたりは自分が抱えたり、BARで飲めるボトルには限りがあるので、「特に当たりのボトルを、しかもいい状態で」飲むことができるというのは、こういう会ならではの醍醐味だと思います。
ダルウィニーも、非常に高価で普段飲むことが叶わない1本。ハウススタイルが自分の中に出来上がっているとは言えませんでしたが、間違いなく今回の経験が今後に残り続けます。
こう思い返してみても、自然とOBが半分を占めているわけですから、やはり中身のクオリティが素晴らしいという、何よりの証拠だと思いました。
【3】市場価値ではなく、中身を客観的に評価してもらえる。他の人が感じている蒸溜所に対するイメージを聞くことが出来る
→当会はひとことで言えば、ウイスキーボトルを「中心に据えた上での」、参加者同士の交流会なんだと思います。
集まっていただいた参加者の皆さんそれぞれに、向かい合ってきたボトルには違いがあり、でも同じ蒸溜所について、似たような印象を持っていたり、違った部分もあったり。
自分が取り立てて明瞭に記憶していなかったことでも、他の方のコメントを聞いて、そこが美味しいと思われていたりすると、自分も気になって更に探求してみるという好循環が生まれます。
しかも対象ボトルが目の前にあり、ズバリ同じ状態、同じグラス、同じ時間にそういった話が遠慮無くできるので、もうウイスキーを飲む以上これ以上の空間はないなと思います。
BARであればそれは商品ですし、基本的にお客に合わせてくれる方、そもそも込み入った話はしないバーテンダーさんがほとんどだと思いますし、他のお客さんの目的が必ずしもリンクしない以上、細かいイメージギャップを知ることや、香味的に全く新しい発見をするということに必ずしも向かない点もあると思います。
一方こちらの場合は、知識的にも、意欲的にも、現在進行形でなおかつ本会に参加表明していただくという意思を持った方々ばかりですから、それはもう「ウイスキーに対する温度」は共通しています。
重ね重ね私にとってこれ以上の空間はないなと思いました。もちろん頻繁には行かないところが良くもあり、残念でもあるところです。
【私からの出題ボトル】
大阪から(その日はお仕事の都合で広島から!!)フーミンさんにご来場いただけることとなり、一番感想を共有したかったのは、誤解も多いと思われる、イタリアンボトラーでした。
私はネットを通じて、これらのボトルを特に持ち上げている自覚もありますし、なかなか飲む機会がかぎられるので、「本当かな?」と思われることも、これまで多く感想を頂いて来ました。
昨年9月はセスタンテ中心に集めましたが、一晩にして全体を俯瞰していただければと思い、ムーン、サマローリ、インタートレード、セスタンテとひと通り、自身が美味しいと思うものを集めてみました。
ロングモーングレンリベット1966ムーン
ラフロイグ15インタートレード
ストラスアイラ1967サマローリ
グレンバーギ22セスタンテ
ブラドノック1975インタートレード
これをブラインドで飲んでいただけたので、その予想、感想をお聞かせいただいたことは、自らのラベル酔い部分に気づくためにもとても有意義で、ありがたかったです。
実は次回以降モルトゲームという、ウイスキーブラインドティステイングをエンターテイメントにし、なおかつチーム戦を行うことができるルールを作成しました。
できればこれは、観戦側でいるのが一番楽しめると思うのですが、こういった企画もネット中継と組み合わせて、楽しんでいけるといいなと思っています。
本会にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
今後とも宜しくお願い申し上げます。