タケモトカツヒコ (プロフィール)
【スコア】BAR飲みのため非公開
【ファースト】:薄い琥珀 イチゴジャム イチジク(++) プルーン サルビア ツツジ スイカ ラムネ マスカットの渋みと酸味
【ミドル】: 膨らむ エッジがきいている 干した麦感 りんごの皮の酸味と渋み 粘性がある シロップコーティングはさほどなくベタつかない
【フィニッシュ】:返り、鼻抜け 度数以上 乳酸ぽい 辛味 磯っぽいというよりは塩辛い
(2010年10月14日)1980年代前半にリリースされたと思われる、スプリングバンクOB12年。
ビッグS、キャンベルタウンモルト表記、ブラックスクリューキャップで度数は43%。
とても色が薄い琥珀色ですが、これもむしろ80年代前半にして一切着色を行っていなかった証明ともいえます。
43度のリリースである点で、現在オフィシャルでは行っていない冷却ろ過があったのかどうかは調査しきれませんでした。
近年のボトリングで、色が薄くてもイチゴジャムの香りが認識できるものが増えてきていますが、もちろん本ボトルにもしっかりあります。
スプリングバンクといえば現在100%自家製麦として有名ですが、1960年には自家製麦が利益を生まないと一度は決断し、一部を他から購入する道を採っています。
しかしながら製麦施設を大幅に改修し、1992年から再び100%自家でフロアモルティング工程を経た麦芽だけを使用することになりました。
(フロアモルティングは一貫して行ってきたが、100%ではない時期があったという意味です。)
その際追加の品質向上策として採られたのが、地元の小規模農家から大麦を再び買い上げること(いわゆるローカルバーレイ:品種はオプティック)。
結果はあまり大きくは品質向上に貢献しなかったということですが、現在も一定量の大麦を当該小規模農家から購入し続けているといいます。
そう考えると樽の問題は残りますが、最近の1993リリースに当たりが多いことにも納得がいきます。
しかし一方単純比較でいうと、ミネラル分(特に塩味)のフレーバーは、「本ボトル」と「現在の20年以下短期熟成ボトル」とでは随分インパクトが異なっているようです。
これはクロスヒル湖の水質変化が影響しているのか、貯蔵庫なのか、または瓶内反応で経年変化から析出してくるからなのか。。。
そして、フロアモルティング100%ではなかった時代に地元小規模農家から買い上げた大麦で、割合比率は不明ながら一部は自家、一部は他の力を借りてモルティングした麦芽で作った「ローカルバーレイ」、本ボトルを含む「ビッグSブラックラベル」のクオリティはずば抜けていることからしても、樽の問題含む他の要因はあるにせよ、オプティックという大麦自体のポテンシャルがどうなのか。。。
先日日本酒に詳しい方から、日本酒の味の決め手は「麹」と伺いましたが、ウイスキーにおける酵母の改良はどうだったのか。。。
製造工程の「伝統を守る姿勢」には感服を禁じ得ませんが、「原材料」はそうではないのかと、はるか遠くの日本から叫んでみることにしたいと思います。。。
キャンベルタウンに存在する(した)蒸留所の公式設立年
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