THE NATIVE ROSS-SHIRE
GLENMORANGIE
NATURAL CASK STRENGTH
(グレンモーレンジ10年 ネイティブ・ロス・シャー）
YEARS 10 OLD
59.6％ 750ml
DISTILLED: 5 Feb. 1981
BOTTLED: 17 April 1991
CASK NO, 978
BOTTLE NO, 108
スコア：79点
テイスティング：オープンテイスティング
【テイスティング】
香り：上面は乾いた木や麦の穂、干した牧草、続いてジンジャーやレモンの皮、スパイス、ほのかにミントもある、
時間と共にオーク香とバニラクッキー、サツマイモ、柔らかく甘い香りも顔を出す。
59.6%、約60度近い度数でありながら嫌なアルコールの刺激は少なく、純粋にドライでスパイシー、全体としてはビターでありながらオークや原料由来の甘さも感じる。
味：フレーバーは全体的にフレッシュで勢いがある。オーク感のある甘酸っぱい口当り、
蜂蜜レモン、カルピスのような酸味がほのかに、乾いた木、ジンジャー、どこか焦がしたようなニュアンス。
中間からはややスパイシーでグレープフルーツ、麦芽、ウッディーなビター感が続く。鼻抜けは若干の香水感を含んだオーク香、バニラもある。
余韻はジンジャーやレモンピールのようなほろ苦さに、麦芽系のスィートさ、最初は蜂蜜とレモンピールだが徐々にカスタードクリームへ変化する。
しっかりとした骨格があり、口奥停滞型で豊富なフレーバーを伴って長く続く。
若くて力強さがある中に、どこか優しさのようなものも感じさせるグレンモーレンジのカスク。
今でこそ市民権を得て、モルト飲みの中では一般的になりつつあるシングルカスクであるが、
約20年前のオフィシャルモルトで、シングルカスクストレングスでフロムザバレル、
モーレンジ蒸留所にとっては非常に挑戦的な1本であったことが連想される。
評価の高いボトルで、かのマイケルジャクソンを筆頭に、探して損は無いという声もあるが、
確かにグレンモーレンジのキャラクターとしては、良いベクトルのものがしっかりと現れているように感じられる。
少しグラスでステイさせる、もしくは少量の加水を行うとよりフレーバーが開いてくる。後は好みの問題。
モーレンジ好きならスコア85点以上は堅いかもしれない。
