タケモトカツヒコ (プロフィール)
【スコア】 BAR飲みのため非公開
【ファースト】:やや薄い琥珀 ディスクは厚みがある透明層 アルコール感鋭い 緑のメロン 瓜系 蜂蜜 赤みのある桃 リンゴの甘煮 酸味もリンゴ~パイナップル~梨~甘草 時間と共にパイナップルが強くなる
【ミドル】:ボディは厚みを感じる 膨らむが個性的な輪郭 時間と共にバニラ カスタード ホットケーキ アーシー スイカ 焦げた部分はない 良く乾燥された木材のイメージ
【フィニッシュ】:鼻抜けしっかり、返り優先 スパイシーさが木材感と融合しかかっている 鼻から抜ける風味は桃と緑色のメロン スパイシーさも鋭い ショウガ トウガラシ コショウ 切れあがる
キンクレイス 1969/2009 40年。
9月のMalt Night 5th でご一緒することが出来た、Tさんからのご好意でご相伴させて頂きました。
久々に飲んでも、やはり個性的なボトルで、ローズバンクにも共通の鋭いアルコール輪郭の内側から、リンゴの甘煮のようなフレーバーが現れて、さらにその奥から、緑色のメロン、瓜系の独特な植物質+果実の融合したような層が顔を出します。
ボディは、膨らむのですが、ごく一定の幅でとどまる感じで、非常に整頓された、エッジを形成するようなイメージがあり、ここが全体的に清らかなニュアンスを残すのだと思います。
瓶詰めから数年経って、少し変化はあったかと注意しながら飲みましたが、とても新鮮でアルコール感も鋭く、丸くなった印象はありませんでした。
稀少なボトルだけに、度々飲むことが叶うボトルではありませんが、数年に一回でも記憶のリセットに出会いたい1本です。
【参考:操業期間は短かったものの、2000年代にリリースのあったシングルモルト(リリース例:おそらく最終リリースと思われるボトル)】
Ben Wyvis 1965-1977 (OB 37yo 2002)
Glen Flagler 1964-1985 (Inver House 1973/2003)
Killyloch 1964-1975 (Inver House 1967/2003)
Kinclaith 1957-1975 (DT 1969/2009)
Ladyburn /Ayrshire 1966-1975 (Sig 1975/2007)
【テスト生産?】
Craigduff /Glenisla
SigVから樽がリリースされた際、当初Strathislaのヘヴィーピーテッドと言われていたものの、実際はGlen Keith蒸溜所内で生産されたローピーテッド麦芽+仕込み水に対して濃厚にピートの影響を加えたテスト生産樽であったことが発覚。
このテストはシーグラム社から派遣されたアメリカ人技術者が主導して行われたもので、Craigduff /Glenisla の名で独立系ボトラーズからリリースされた樽が、Strathisla・Glen Keithどちらのスティルを用いて蒸溜されたのかはハッキリしていない模様。
蒸溜所内ではStrathislaのヘヴィーピーテッドがCraigduff 、Glen KeithのローピーテッドはKeith、ヘヴィーピーテッドがGlen Keithとして扱われていたとの説も。
【100%ブレンデッド供給】
Islebrae
Moffat Distilleryにおける、ピーテッド度合いによる名称変化は、Killyloch (ノンピート)、Glen Flagler (ピーテッド)、Islebrae (ヘヴィーピーテッド)。同蒸溜所で生産されるシングルグレーン名称はGarnheath。
【公式にはピートの使い分けらしい】
Loch Lomond /Croftengea/Inchmoan/Craiglodge/Old Rhosdhu/Glen Douglas/Inchmurrin
Inchmurrinの1966蒸溜は都内某所でよく出会いましたが、とても穏やかなスタイル。蒸溜所名はLoch LomondでLittlemillの第二蒸溜所として1965年創設。
1985年に食料品チェーンを起源とするGlen Catrine Bounded Warehouse Ltdによって買収されました(ウイスキーコンパニオンでは1987年との記載)が、同社はLittlemill、Glen Scotia(1994)も獲得。
Littlemillは1992年までスコットランド最古の現役蒸留所(1772年創設/1750年代に稼働していた資料も発見)であり、小規模ながらも再操業に向けて努力が続けられていましたが、2004年の放火事件によって多くの建物を焼失。
他にも色々あるようですが、またの機会に調査してみたいと思います。