5/27 その2
・スプリングバンク蒸留所見学 前半
スプリングバンク蒸留所の見学ツアーがスタート。蒸留所の女性職員が案内してくれる。
蒸留所はキャンベルタウンのメインストリートから路地に入っていった場所にある。路地の入り口には↑のような小さな看板が出ているだけなので、少し分かりづらい。
フロアモルティング風景。
スプリングバンクではなんと100%フロアモルティングの麦を利用している。また、さらに地元の麦だけを利用した「ローカルバーレイ」と呼ばれる商品も生産されている。小規模蒸留所だからこそ出来るこだわりだ。
次は乾燥工程。
キルンの炉の内部を見せてもらった。石炭とピートを混ぜた燃料を使っているそうだ。
これは「スプリングバンクのコンピューター」と呼ばれている掲示板。
乾燥が終わった麦を蓄えておくタンクが10個あるが、それぞれにどのような麦が入っているかを示すものだ。この画像だと分かりづらいが、左側の数字の上に「S/BANK(スプリングバンク用)」、「L/ROW(ロングロウ用)」、「L/BARLEY(ローカルバーレイ)」などと書かれている。
次に糖化工程。
スプリングバンクのマッシュタンは2つの大きな特徴がある。まず一つは見ての通り、ステンレス製ではなく鉄製であること。何故鉄製なのかというと「すごく昔に作ったものをずっと使っているから」という単純な理由らしい。
そしてもう一つの特徴は、
なんと蓋がついていないのだ。
こんなマッシュタンは初めて見た。糖化時の温度管理が難しかったり、異物混入があったりとかしないのだろうかと思ってしまう。
しかし、これもまたスプリングバンクの個性に一役買っている重要な要素であることは間違い無いだろう。
次は発酵工程。
ウォッシュバックは伝統的な木製(パイン材)のものだが、ここのウォッシュバックにも特徴がある。蓋を見てもらえば分かると思うが、ただの木製の鍋蓋のようなものが乗っかっているだけだ。つまり、泡切り用の扇風機がついていないのだ。職員に「このウォッシュバックってプロペラついてないけど、泡が溢れてきたらどうするの?」と聞いたところ、小さな瓶を取り出して「この液体を入れるのよ。そうすると泡が収まるの。」と言っていた。
ウォッシュバックから発酵中のウォッシュを組み上げて、飲ませてもらった。
簡単に表現すると「炭酸が弱く、酸味の残った、まずいビール」だった。
ストーさんも試飲中。
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ちなみに、みんな飲み終わった後、職員の人が残りはウォッシュバックに戻してしまった。結構アバウトだ。
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蒸留工程。
3つのポットスティルが並んでいる。このポットスティルを使って、ロングローは2回蒸留、スプリングバンクは2.5回蒸留(再留時のフォアショッツとフェインツをもう一度再留に回す)、ヘーゼルバーンは3回蒸留を行うそうだ。
スピリットセーフ。
水色の銅酸化物っぽいものが見えるが、特に品質に影響は無いのでそのまま使っているそうだ。時々掃除するらしい。