【最高のドシェリー選手権】-2 【最高のシェリー樽は、1972年蒸留まで説】を検証

最高のというからには、個人的評価で「95点以上」を付けられるボトルということに限定したいと思いますが、それが1972年蒸留までで「不思議なことに」終わってしまう。そんな仮説を検証してみたいと思います。

最も直近で、濃厚シェリー樽熟成で、(あくまで筆者個人的に)95点以上を付けられるボトルというのは、1972年蒸留のグレングラッソー。



グレングラッサ Glenglassaugh 41yo 1972/2014 (50.6%, OB, Rare Cask Releases Batch 1, C#2114, Matured in the finest Sherry Butt)

です。


これは、ビリー・ウォーカー一連の話として、その前にはグレン・ドロナックの1972年蒸留があるわけですが、ドロナック単体であれば、白ラベルOBの時代から継続して、濃厚かつ素晴らしいシェリー樽を入手していて、1972年蒸留の当時からその樽に詰められて、ゼロ年代後半にリリースされたと、(疑わしくも)信じられなくはなかったのです。



けれど、1972年当時、繋がりというほどのものを見出しにくい、グレングラッソー蒸留所から、極めて質感がドロナックに近いシェリー樽で熟成されていたということには、信ぴょう性が薄いと思わざるを得ず、やっぱりビリーが持ってきて、フィニッシュされて出てきたボトルではないかと、しかも1年以上後熟するとフィニッシュ表記もせずに「熟成」表記に変わる。。。当然そんなことは公に認めたりしなかったわけですが、個人的に受け取らざるを得なかったと。あくまで主観的な話としてそう思っています。


ビリー・ウォーカーらが、このしっかり表記されている「シェリー樽」をどのように入手したのか?は、とても興味のあることですが、同様に、

【1】シェリー樽熟成のウイスキーが瓶内で変化することで、どのような魅力を手に入れるのか?

【2】蒸留直後から(濃厚な)シェリー樽に熟成されることと、ナチュラルカスク他で熟成されて、リリース直前の1年前後フィニッシュされることに、どのような【官能差】があるのか?

ということには、とても興味があります。


<その他、1972年蒸留かつ95pts以上の評価ボトル>


グレンロッシー Glenlossie 16yo 1972 (57.7%, Sestante, White Label with Green Letters, 75cl)

残念ながらシェリー樽表記なし。



バルベニー Balvenie 1972/2006 ‘Vintage Cask’ (47.3%, OB, cask #14813, 131/162 bottles)

シェリー樽表記はないものの、バーボン樽オンリーでは考えにくい内容。リラック(熟成中の樽同士混合)もあり得るのか?と思えるもの。(ビリー以降のドロナックでは通常よくある熟成テクニックだと公式が認めている方法。)



クライネリッシュ Clynelish 36yo 1972/2009 (52.5%, G&M for JIS, book of kells, C#14298 39/207Bts, Refill sherry Hogshead)

ラベル表記にも、リフィル・シェリーホグスと書いてありますが、このあたりも「ドシェリー」とは言えないか。



タリスカー Talisker 1972/1991 (43%, Berry Bros & Rudd, ‘1972 Skye’, White Screw Cap)

シェリー樽表記がない、度数が低い、(筆者が)ボトルで抱えられていないという事情は、色味は濃くとも除外要因。



ロングモーン LONGMORN 38yo 1972/2011 (53.9%, Book of Kells , cask#1078 , 1st fill Sherry Butt, 356/410 Bts , Gordon & MacPhail for JAPAN IMPORT SYSTEM)

1stフィル明記の1972年蒸留ロングモーン。ボトルで抱えて盆栽中で、なおかつ瓶内変化に期待できる、(しかも)ロングモーンですが、現状95点以上は出せず。しかし瓶内変化で、新たに魅力を身に着ければ十分可能性はありそうです。


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以下、記事「〖最高のドシェリー選手権〗-2(1972年蒸留説の検証)」の内容を正確にエビデンス併記で深掘りまとめます。

1. 記事の趣旨と仮説検証

著者は「個人的評価で95点以上を付けられる“濃厚シェリー樽熟成”ボトル」が、なぜか1972年蒸留までで途切れてしまう」という仮説を立て、その妥当性を検証している。 

2. キーとなるボトル:Glenglassaugh 41yo 1972/2014

  • 仕様:50.6%/OB Rare Cask Releases Batch 1/Cask #2114/最上級シェリー・バット熟成
  • 評価:筆者個人で95点以上を付けうる、直近の“ドシェリー”最高峰ボトルと位置づけられている。  

3. 背景と信憑性への疑義

  • ビリー・ウォーカーの介在
    同時期のGlendronachやGlenDronach 1972蒸留と極めて近似した樽の質感であるが、Glenglassaugh蒸留所自体にそこまでの直取引ルートがあったかは不明瞭。
  • 後熟フィニッシュ説
    「蒸留直後から濃厚シェリー樽に入れた」説と、「リリース直前に約1年フィニッシュ」説のどちらが真実かについて、公式には否定的ながらも筆者は後者を強く疑っている。  

4. 著者が特に興味を持つ2つのテーマ

  1. 瓶内変化(ボトルマチュレーション)
    瓶詰め後の経年が、ウイスキーにどのような深みや新たな魅力をもたらすか。  
  2. 直詰め熟成 vs 後期フィニッシュ
    濃厚シェリー樽に蒸留直後から浸した場合と、ナチュラルカスク熟成後に短期フィニッシュした場合で、官能的にどう異なるかの比較。  

5. その他の「95点以上候補」一覧(すべて1972年蒸留)

  • Glenlossie 16yo 1972 (57.7%, Sestante White Label)
    シェリー樽表記はないが、色・風味は濃厚  
  • Balvenie 1972/2006 ‘Vintage Cask’ (47.3%, OB)
    バーボン樽表記のみだが、濃密なシェリー感を想起させる味わい  
  • Clynelish 36yo 1972/2009 (52.5%, G&M for JIS)
    リフィル・シェリーホグスヘッド熟成と明記  
  • Talisker 1972/1991 (43%, Berry Bros & Rudd)
    樽表記なしかつ度数が低いため、筆者評価からは外れる  
  • Longmorn 38yo 1972/2011 (53.9%, Book of Kells)
    1st fill Sherry Butt熟成と明記。皿上/瓶内両方の変化に期待大  

以上が当該記事の要点と著者の検証視点です。ご参考になれば幸いです。