ラフロイグ Laphroaig 1993/2009 (52.3%, Douglas Laing OMC 10th Anniv, Refill Hogshead, 257 Bts.) 70CL 2nd

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タケモトカツヒコ


タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】88pts


【ファースト】:薄い琥珀 乳酸感(+) アルコール感しっかり 煙・ヨード感はあるが強くはない 生ハム サラミ 植物感(草)

【ミドル】:ボディ輪郭がしっかりしている 焦げたというよりは干し草の麦感(+) しっかり甘みは透明感がある 桃 ヨード(+) 燻製 ドライマンゴー パイナップル

【フィニッシュ】:鼻抜けしっかり(+) 返りも十分 やはりパイナップル(+) 透明感のある粘性は少ない甘さ 燻製 ヨード やや塩も


【速】ラフロイグ Laphroaig 1993/2009 (48.8%, Douglas Laing OMC 10th Anniv, Refill butt, 194 Bts.) 70CL

に続く第二弾。DLにとって2009年の最後の瓶詰めだったそうです。

やや乳酸感があることと、パイナップルやドライマンゴーのフレーバーが印象的。

この特徴は同じ93のボウモアと同じ方向性ですね。やはり全体的に透明感があって、クセが強い要素は突出していません。

90年代後期蒸溜との比較でいっても、こちらのボトルのほうが果実感が目立つように感じますが、この年代では数年の熟成年数の違いが大きいのかもしれません。

バランスがいいラフロイグだと思います。 (2010年4月14日)

2012.05.18.追記

ダグラスレインのニューリリースで、今度は18年熟成の93ラフロイグが出てくるようです。

ラフロイグの90年代蒸溜は非常にバランス優秀で、個人的にはさらに97が相当期待できると思っているのですが、93の特色は「透明感に加えて”乳酸+果実香味”がある」という点だと思います。

敢えて分けて考えると、ロングロウ87が好き、乳酸が好きな層には93が。
60後-70前蒸溜のラフロイグの淡さ、カリラ・バロックレイドの淡さがむしろ高評価という層には97がオススメかなと。

またラフロイグは熟成年数20年以内や、むしろ加水のほうが良さが引き出ているボトルも歴代出てきているので、その点も注目です。


余談ですが、今回の信濃屋さんのメルマガ。。。。信濃屋さん普段は高く評価しているんですが、「▼まあ、93なんですよ。▼」はちょっと微妙でしたね。

結局、実際に飲んだ人が「美味しいと思った」から盛り上がったのですけど、93ボウモアに関してW&M、BB&R、前田さんなどの存在を忘れては困るし、蒸溜年的にサントリーに全経営権が移る前年で、64ブラックボウモアのリリース年でもあったと。明らかに特別な年であったわけです。TWAが12樽まとめ買いしたり、自分のところを含めて2009年当時は飲み手が熱心にブログでテイスティングコメントを述べ合っていた土壌もあったわけで、信濃屋さんも行き渡らないボトル供給に役目を果たされたと思います。誰かが流行らすとか、そんな案件でしたかねー。あえて背景を語るとするのなら、あんまり恣意的に伝えるべきではないでしょう。

たった3年前の話を「あれは○○と○○がきっかけ」とまとめられると、ちょっと違和感ありました。プロはプロらしい解説をお願いします。

ラフロイグ93に関して言えば、ボウモア93と似てるから、果実云々よりも、全体的な透明感、淡さに注目して、1960-70年代の”ベッシー路線”への回帰とかいうふうに捉えるべきではないかなと思いますね。

果実香味に関しては、横10年から続いて裏蒸溜所ラベルの10年とか、ボウモアには確かに足りなかった時期がありましたけど、ラフロイグに関しては一貫して持っている部分かなと思います。