ドンペリニョン Dom Perignon 7yo 2002 (12.5%, OB, AOC Champagne)

タケモトカツヒコ


タケモトカツヒコ (プロフィール


【スコア】 94 pts


【ファースト】 : 角を立てない、高いガス圧を感じさせない、発泡感 蜂蜜+濃厚なレモン(++) 奥の層にやや据えたグレープフルーツの皮 リンゴの芯に近い部分(やや木材寄りの香り) 時間の経過で明瞭にクリーミーで、でんぷん質豊富な層があらわれる アーモンド ナッツも  

【ミドル】: 膨らむボディ 輪郭しっかり 黄色い果実から、時間の経過でアセロラのような赤みを帯びた実を連想させる果実へ 舌上に辛味と言うよりも、渋みを感じさせる まったくベタつきがなく、スムーズにフィニッシュへ繋がる 

【フィニッシュ】: しみ込むというよりも、明らかに力がある、パワフルな返り 濃厚な蜂蜜レモン 甘さは上質で、レモンの果汁と共にある 渋みで口腔内を締め、重さもある 圧倒的な存在感 若さはあるが、熟成を感じさせる味の膨らみ エグ味が全くない 余韻も複雑かつ長い ジャスミンティ 洋梨 カモミール


(キュヴェ)ドンペリニョン 2002

あまりシャンパン(シャンパーニュ)を意欲的に飲んで来なかった自分も、2000年ヴィンテージが美味しく、またシェフ・ドゥ・カーヴ(醸造最高責任者)のテイスティングやインタビューへの真摯な姿勢を見るにつれ、新しいヴィンテージが出たら買ってみようと思って、最初に2002を手にしたのが9月でした。

その時は複数人で飲んだこともあって、深く味わったとは言えず、時が経って再び飲みたくなった次第。その時は並行輸入品、今回は正規品を購入。


リシャール・ジョフロワが語るドン・ペリニヨン2002

この動画を見ても、リシャール・ジェフロワ氏の人となりが理解できる気がします。飲む人が好きに飲んでくれればなんて言う姿勢ではありません。事細かく従前のヴィンテージとの比較を含めて説明されていて、MHDグループであることもそうですが、ウイスキー蒸溜所の方による、こうした率直なテイスティングや説明を動画でアップしてもらえると、より親近感が沸くのになと。通訳もレベルが高いです。

今回調べて分かりましたが、2002年はパーカーポイント96点。グレート・ヴィンテージであるとのこと。。。

100点~96点 Extraordinary 【格別】
深遠で複雑な個性があり、その品種で作られる古典的なワインに期待される、あらゆる属性を見せている。
これほどのワインであれば、特別な努力を払っても探し・購い・飲む価値があると思う。

95点~90点 Outstanding 【傑出】
格別の複雑さと個性がある、すばらしいワインだと思う。

89点~80点 Above Average to Excellent 【かろうじて並以上から優良】
程度はさまざまながらフィネスや味わい、個性を見せており、気になるような傷はない。

79点~70点 Average 【並】
見るべきものはほとんど無いが、作りは健全。早い話が短刀直入で無味乾燥なワイン。

69点~60点 Below Average【並以下】
気になる欠陥があり、酸やタンニンが過剰だったり、味わいが欠如していたり、
ひょっとすると不潔な香りや味わいがあるかもしれない。

最もスタンダードなクラスで96点ですから、更に瓶内熟成を経ると、どうなるのかも気になります。


また単純にブランドイメージを上げるだけではなく、率直で客観的とも言える冷静なコメントに心から感心しました。メインサイトの作りも非常に丁寧。各ヴィンテージのテイスティングノートが閲覧できるほか、オススメのテイスティングスタイル、温度についての解説と抜かりありません。

http://www.domperignon.com/

http://goethe.nikkei.co.jp/human/100902/index.html

――先日、「ドンペリニヨン ヴィンテージ 2002」の試飲会に参加させて戴きましたが、その時も1本1本全部ジェフロワさんがテイスティングされ、少しでも違うものは出さないとお聞きして感銘を受けました。

ジェフロワ いや、味を確かめないものをお出ししないのは、当然のことですよ。私の人生で皆様にご紹介するボトルは、全てテイスティングします。100人の方の夕食会で5種類、ヴィンテージイヤーが違うものを出す場合も、全てテイスティングしました。

――「ドンペリニヨン ヴィンテージ 2002」について詳しく教えて下さい。先日の試飲会では「パラドックス(矛盾)」という言葉で説明されていましたが、実に複雑な、深い味わいのシャンパーニュだと思います。口にして、自分の世界が広がったような気がしました。今、このタイミングで出された理由というのは?

ジェフロワ シャンパーニュは準備が整った時に発表するもので、決してその前にお出ししてはならない。シャンパーニュ自身がしっかりと「そこまで来た」というタイミングが大事でね。つまり、これぞドン ペリニヨンに「なった」というその時点まで来ると、シャンパーニュの方で我々に語りかけてくるんです。だからそこでリリースすることになります。

――シャンパーニュから語りかけてくると。

ジェフロワ 一番最初にドン ペリニヨンとして語りかけてくることができるようになるには、7、8年は最低かかります。それ以下では無理。ですからドン ペリニヨンにとって、時間というのは大変重要な要素です。時間は、人間がプッシュすることも、加速することもできない。自然界において何が一番洗練されているかといえば、時間に磨かれたものです。複雑さを持つ味わいが短時間でできることは決してなく、じっくりと時間をかけて初めてでき上がるものなんです。

――ドン ペリニヨンはヴィンテージしか出さないので有名ですが、その全てに個性があると思います。今回のヴィンテージ 2002を「人」で表すならば、どんな人でしょう?

ジェフロワ ヴィンテージ 2002の特徴はエネルギーを感じることです。何かそこに、密度の濃い凝縮されたエネルギーを感じる。ですから人でいえば、強い意志を持った確固たる人物。それでいて態度が大きい人ではありません。自分がどこに行きたいか方向性がはっきり分かっているから、他の人も磁石に引きつけられるように一緒に付いていく。そういう魅力を持った人。ヴィンテージ 2002というシャンパーニュをそういう風に私は感じています。


正直、ウイスキーを探求していくと、そのよく言えば「おおらかさ」、悪く言えば「いい加減さ」に嫌気が差すことがあるのも事実。。。

ウイスキーそのものはナチュラルで、全く悪くないのに、そのリリース手段、フェイク、状態、カスクナンバーから樽の管理に至るまで、なんで、もうちょっとしっかりしてくれないのかと思うことしばしば。

今回のドンペリニョン、正規流通で、価格は12000円。コルクにも製造ナンバーが記載され、手が込んでいます。決してウイスキーに比べて高い値段というわけではありません。

客観的なテイスティングノートも率直で、余計な修飾が無いと思います。

酒としてはウイスキーが好き、けれど内容に見合った環境、文化的成熟度は、まだまだ見習うところ多し。。。

ジェフロワ いや、味を確かめないものをお出ししないのは、当然のことですよ。私の人生で皆様にご紹介するボトルは、全てテイスティングします。100人の方の夕食会で5種類、ヴィンテージイヤーが違うものを出す場合も、全てテイスティングしました。

この姿勢です。別に見掛け倒しでも。。。いやそこに気づいていることを示すことが大事なのでしょう。私が最近気になってしょうがない部分でもあり、一定のクオリティに達しなければ、商品にならないという考え方。飲み手としてはこの安心感が購入するのにも、味わう前提としても必要不可欠なのだと思うのです。