OB ARDBEG UIGEADAIL “TRADITIONAL STRENGTH” 54.2% 700ml Bottled:2003/1st



ARDBEG
UIGEADAIL
(アードベック ウーガダール)
“TRADITIONAL STRENGTH”

Distilled:
1991&1993 type Bourbon
1976&1977 type Sherry
Bottled:2003
700ml 54.2%

輸入販売:野澤組、国分

スコア:90
テイスター:くりりん


香り:みたらし系の甘さを含んだ力強いピートとスモーク、タール、フィッシュフライ、チャーしたオーク材、
シガーや燻製のようでもあり、実に食欲をそそる。また、爽やかな潮の香りもぐんぐん押し寄せてくる。
若いアイラにありがちな、ただ勢いだけのアロマではなく、
奥にはスペイサイドモルトを思わせるような上品さとヨード香があり、バランスの取れた香りである。

味:オイリーな口当たり、スパイスはそれほど感じないが、少しトゲがあるように感じられる。
実にピーティーであり、それにカキの燻製、オロロソシェリー、黒糖パン、微かにミント、
口の中に燻ったピートを投げ込まれたようで、鼻からも煙がしっかりと抜けていく。
火元は食道のあたりか、度数ほどのアタックを感じないが飲み込むと体の中に暖かいアイラの炎を感じる。

フィニッシュ:焦げたみたらし、スモーキー、長い。十分にアイラを主張できるピート香が残りつつすっきりとキレる。


コリーヴレッガン、ローラーコースター、アリゲーター、アードベックのカスクストレングスの新リリースが続くことで、
最近すっかり影を潜めてしまった感のあるウーガダール、その初版である2003年リリースボトルです。

2003年は、まだアードベックの取扱いは国分、野澤のペア。
ウーガダールは1991年蒸留と1993年蒸留のバーボン樽熟成の原酒をベースに、
1976年、1977年蒸留の貴重なシェリー樽原酒を加え、味のバランスを取った意欲作。
強いがどこかやわらかさを感じるピート香にしっかりしたボディ、そしてなによりバランスの良さ、
価格的にも文句のつけようがありません。

実際、販売当初は非常にうまいと好評でしたが、残念なことに上記の原酒の組み合わせが行われたのは初期の頃だけで、
特にヘネシーに取扱いが移った後のウーガダールは、飲み比べると確かに味が違ってしまっており、
メーカーからのコメントはありませんが、すでに70年代のシェリー原酒は入っていないとも言われています。
(今のウーガダールが上記原酒の組み合わせだとしたら、とんでもない長熟&高額になっていますw)

アードベックの70年代なんていったら、軽く10万前後の値段になってしまっている昨今としては、
見かけたらぜひとも購入しておきたい一本ですが、その見分けも簡単にここで記載します。

まず、旧ラベルとなるアードベックのウーガダール、国分野澤時代のものは
・現行品はNON CHILL-FILTEREDと書かれているところが、TRADITIONAL STRENGTHとなっている。
・取扱いが国分、野澤組。
・箱が現行品のような薄い箱ではなく、ダンボールに厚紙をかぶせたような二重構造、フタも凝った作りだった。

以上が現行品との違いになります。
国分、野澤がアードベックの取扱いをやめたのは2005年ですが、では、
同時代の2003年の初期ロットと他年代の見分けはというと、箱のウラにひっそりと印刷された
・BOTTLED IN THE YEAR 2003

という文字しかなく、実はボトルに確たる情報が記載されていません。
(見落としてるかもしれません、あったら教えてください。)

ちなみにこのボトルは都内の酒屋で発見し、5000円で買い叩いたものです。
地方の酒屋はもとより、都内であってもまだまだお宝はいっぱいあります。
興味のある方は探してみてください!