5/26 その3
・ジュラマスタークラス テイスティング
次はテイスティングのマスタークラスだ。担当はウィリー・テイト氏。
4種類のジュラが用意され、それぞれの特徴について解説してもらえる。
用意されたのは「JURA Origin」、「JURA Superstition」、「Jura Diurachs’ Own」、「Jura Prophecy」の4つだ。
「JURA Origin」はジュラのスタンダードアイテム。ノンピートでライトタイプだ。ジュラのハウススタイルがもっともよく表現されている。
「JURA Superstition」はライトピートのジュラ。バランスがよく、はちみつっぽいジュラ感もあり、これが一番好きだった。
「Jura Diurachs’ Own」はフルボディを目指して作られたジュラ。かなり甘く、チョコレート感が強い。ちょっとジュラのカブトムシっぽい感じが強かったが、これが一番美味しいと感じる人もいるんじゃないだろうか。
「Jura Prophecy」は最もヘビーで最もスモーキー、全然ジュラっぽくない。オールドのアイラモルトみたいな印象を受けた。残念ながら僕の好みからは外れていた。
一通り飲んだ後、ウィリー・テイトとお話する。
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ウィリー・テイト「ジュラはどうだい?」
りゅうたに「今までジュラをあまり飲んだことは無かったのですが、どれも特徴的ですごく美味しいですね。JURA Superstitionが一番美味しいと思います。」
ウィリー・テイト「それは少し違うな。JURA Superstitionが一番優れているのではなく、ここにある4種類のモルトはただ単に『別のもの』なんだ。今、君はJURA Superstitionが一番美味しいと感じているだろうが、違う時に違う場所で飲んだら違う感想を持つだろう。JURA Superstitionよりも他の3種類のうちのどれかを美味しく感じるシチュエーションは必ず存在するのだ。だからこれからもいろんなシチュエーションでいろんなジュラを楽しんでみてくれ(笑) 新たな発見があるはずだ。」
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なるほど…確かにそのとおりかもしれない。
・所長のコクラン氏からお話
テイスティングのマスタークラスが終わり、次のマスタークラスに入るところで、所長のコクラン氏が話しかけてきた。
コクラン「そろそろ次のマスタークラスを始めるが、君たちの今後の予定はどうなってるんだい?」
りゅうたに「ジュラのマスタークラスが終わったらアイラに戻って、15時からキルホーマンのマスタークラスに参加する予定です。」
コクラン「そうか…今ポートアスケイグから連絡があってね、もしかすると今日の午後からフェリーが運行できなくなるかもしれないそうだ。風と海流がひどい状態らしい。今12時だが、もしキルホーマンに行きたいのであれば今すぐにフェリー乗り場に向かったほうがいいと思う。フェリーの運行が不安定になると、フェリー待ちの行列が凄いことになるだろうからね。」
りゅうたに「なるほど…教えてくださってありがとうございます。みんなと検討してみます。」
結局、みんなで検討した結果、ジュラの最後のマスタークラスをキャンセルして、フェリー乗り場へ向かうことになった。ジュラの最後のマスタークラスに参加できないのは残念だが、アイラ島に帰れなくなってしまったら大変だ。
ジュラのマスタークラスはとても楽しかった。とにかくウィリー・テイト氏、ウィリー・コクラン氏、リチャード・パターソン氏の三人は、トークがすごく面白いのだ。来年も参加したいと思う。
・ジュラ→アイラ フェリー
すぐにジュラ蒸留所を出て、フェリー乗り場に到着。 すでに2台がフェリー待ちの列に並んでいた。まあこれなら次のフェリーで帰れるだろう…と思って、列に車を止めた途端に前の車から人が出てきて、こちらに話しかけてきた。
男性「やあ。フェリー全然来ないよ。」
りゅうたに「え、まじっすか」
男性「うん、もう一時間以上来てない。」
りゅうたに「あちゃー。なんか天候がどうこうって言ってましたが…」
男性「まあ待つしかないね…」
というわけで、気長にフェリーを待つことになった。
・フェリーが ポートアスケイグを出発 しかし…
一時間経過。すでにフェリー待ちの列には15台以上の車が並んでいる。早めにフェリー乗り場に来た判断は正しかったようだ。
にわかに周りが騒がしくなったので対岸を見てみると、アイラ側からフェリーが出港したのが見えた。「やった、ようやく帰れる!なんとかキルホーマンのマスタークラスに間にあう!」とみんなで喜んだのだが…
なんとフェリーが海流にながされてしまって、こちら側に辿りつけない。海峡をぐるぐる回っているだけだ。
結局15分後くらいにアイラ島側に帰ってしまって、スピーカーで「2時間後にリトライするのでそれまで待つように」というアナウンスが放送された。2時間かよ…この時点でキルホーマンのマスタークラスに参加するのは絶望的となった。