(音楽サービスについては53分頃から)
最近この手の話ばかりですみません。
7/15に解禁された「Spotify」の全米サービスが、徐々に日本へも影響を及ぼしてきました。秋頃からAppleのiCloud、GoogleのMusic Betaが本格化すると、その方向性は一気に加速しそうです。
従来型のユーザーが購入した楽曲の管理ツールから、クラウドサーバー上に既に用意された膨大な楽曲へ「月額定額制」でリーチ出来るサービスへの転換は、音楽業界のみならず、今後は映画、スポーツなどあらゆるメディアを巻き込んでいく可能性を孕んでいると思います。
昨年Napstar(日本版)が終了したのは、DRM問題へ決着をつけられなかったことに尽きると思いますが、もはや「Spotify」が4大メジャーレーベルとの包括契約を成立させ、月額制のビジネスモデルを確立。欧米で1000万人以上が利用するに至り、米国に逆上陸しました。
iOS、アンドロイドでも公認アプリケーションとして採用されましたが、両陣営自身の巻き返しと覇権を左右するのはスマートフォンのユーザー囲い込みと並行して「Spotify」を超えるサービスを創造することしかありません。
追いかけられる立場となった、スウェーデン創業の「Spotify」にはFacebookが支援する模様で、足りなかったソーシャル機能の充実が図られれば、先発の強みが(既存有料契約ユーザーの多さ)が活かされそうです。
一方Groovesharkは、現段階での自由度の高さにおいては最先鋒の位置にあり、Wordpressのプラグイン作成や、ガジェットを利用することでプレイリストを共有すること、SpotifyやiTunesのプレイリスト変換サービスなど、運営サイド自らが強力に進めています。
しかしながら肝心の楽曲データベースが、数は多いもののタグ管理の面で杜撰さがあり、扱いづらい面も否めません。「Spotify」のデータ整理・表示機能は素晴らしく丁寧です。
そして「Spotify」「Grooveshark」共に、「未発見のオススメ楽曲/アーティスト」へのリーチという面で、残念ながら日本版はサーバーが弱すぎて使いづらいですが「Last fm」が提示したユーザーの再生状況に応じた類似楽曲データベースというものを独自に実装するまでには至っていません。
とはいえ、定額制 音楽クラウド/ストリーミングサービスが今年年末にかけて俄然盛り上がりを見せてくれることは間違いなく、大いに期待したいと思います。
すでに韓国では類似サービスが開始されており、日本のJASRACもニコ動に認めたようなおおらかさを出せれば、国内楽曲についても遅かれ早かれ利用出来るようになるでしょう。
特にネット回線インフラで優位な日本では、CDがデータ密度の面で既に時代遅れな中、オンキョーが行っている24bit/96kHzの高品質配信も視野に進めてもらいたいなと思います。これもレーベルからHDDで原盤データを提出してもらうことで成立している模様ですが、まさにこだわるユーザーが求めるのがこの原盤データであり、汎用メディアにプレスすることで作品を劣化させてきた昨今のCDアルバムへも時代に合わせた変革が必要です。
高橋ジョージさんは、「作詞作曲をはじめ、原盤印税、出版印税、二次使用料、レンタル使用料などがすべて入ってくるために、ロードをカラオケで1回歌えば、7円入る」そうですが、カラオケの著作権管理システムを世界に先駆けて作った日本ですから、ぜひ時代に遅れること無く推し進めてほしいなと期待します。
同じCDを選挙のために何枚も買わせるなどしないと、かつての販売収益を得られない周辺環境でもあります。薄く広く、月額有料サービスで回収したほうが音楽エンターテイメント全体が再興するきっかけになるでしょう。
通信ログを管理すれば、再生数に応じた印税分配が可能だと思いますし、歌唱印税の面でもカラオケよりも原盤を聞かせる、今回のようなサービスのほうがアーティスト自身潤うはずです。
こうした動きを意識してかどうか、ソニーがヘッドフォンの音質保証サービスを開始しました。http://journal.mycom.co.jp/news/2011/07/21/109/
しばらくオンボードチップのみで許容されてきた感のある、PCオーディオも再度勢いづくと思います。