【Google ウォレットに脆弱性】
このニュース、展開次第で面白すぎるので、今回は投資家目線で書かせていただこうと思います。
【失態の原因】
かのGoogleが何故こんな失態を犯したのか。
#他社に先行するスピード重視
#結局クレジットカード会社の仲買であり、新システムほど保険コストが掛かる等で、意外と儲からないことがわかった
#携帯ハードメーカーのコストダウン要求との妥協
というラインが私には見えますが、そんな原因は置いておいて、近い未来の可能性を探ると、
【今後の進展1 カード会社の%アップ要求=保険料理由】
今回の脆弱性に驚いたカード会社が、リスクに備える保険関係等の理由で、グーグルに中間%アップの要求をしたとします。
するとグーグルは現状にも増してなおさら利潤がなくなり、世界一のサーバーを備える同社は、最終的にはクレジットカード会社をどけて、自社でクレジットカード会社の機能を持とうと考えます。
たった今からでも自社のウォレットサービスに中間を外したいと思っているはずです。しかし人手ではなく、機械経由の決済になるため貸し倒れリスクがサービス開始当初には特に重いと、我慢しているだけです。
【グーグルがクレジットカード会社を兼務する、その過程で】
いざ動いたとします。
ところが、最終的に不正や貸し倒れの負担を行う、損害保険会社は、従来のクレジットカード会社との関係を乱すため、グーグルと新たな契約をしないか、してもグーグル側がほとんど利潤がとれない高額な保険コストを要求するはずです。
すると必要になるのは
#サブプライムローンレベルの、リスクの高い債券を取り扱う市場に、一般投資家も参加させることです。
これは経済が右肩上がりだった従来においては、金融・証券・銀行・保険業界向けの割のいい投資対象で、その他一般の投資家は排除されていました。
ところがリーマンショック以降、プロすらも寄り付かなくなり、今は投資信託等に、お付き合いで(またはその必要性)から組み込まれ、結果的に手数料を抜かれた上で、支払いは、さらに専門知識のない層が負わされている構図となっています。
しかしこの厄介者であるかぎりは、グーグルのような大規模新興IT企業は、広範囲のクレジットカード事業に乗り出すことができません。
また将来はフェイスブックを通じた買い物が主流となるといった、閉鎖系優位の経済予想が立て続けに出ているにも関わらず、実際そうなっていないのも同じ理由があると思います。
REIT(不動産)市場や、これもマイナーですが、指数ワラント市場に最低限組み込まれることで、広く投資を呼びかけない限り、グーグルウォレットが、クレジットカード会社をも飛び越す範囲の事業に打って出ることはできないでしょう。
【クレジット債権市場成立の可能性】
これは大いにあると言っておきたいと思います。
なぜなら、不景気で、特に日本では少子高齢化、中国も豊かになり新たな競争に発展することで少子化傾向、アメリカにおいても経済情勢から人口は先進国全体で縮小傾向です。
そうすると、生命保険ひとつとってみても、新たな加入者よりも、高齢化層の支払い比率が圧倒的となり、経済不況に甘んじることなく、少しでも高利かつ安全な新市場の成立は喜ばしい限りでしょう。(運用面だけではなく、自社の支払予定債務を証券化することで、正常に市場に買いてが居続ける限り、ほぼノーリスクといっていいかもしれません。債務を割り込む可能性もゼロではありませんが。)
余談になりますが、特に海外資本の生命保険に終身で入っておられる方は、そんなもの日本政府が守ってくれる可能性は極めて低いと申し上げなくてはなりません。
しかし、そういう生命保険会社の支払債務すら、クレジットカード債権とともに市場でオープンに投資対象としたならばどうでしょうか?
ヘッジファンド自体が恐れをなしている現在、多少のリスクを背負っても、従来の国債・為替・証券の利益率を拡大させたいという層にとってもウェルカムな状態だと思います。
VISA債、グーグル債、アメックス債にアリコ債でいいわけです。
続く
【参考 http://news.mynavi.jp/articles/2012/02/18/google_wallet/】