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PCオーディオ:排他モード WASAPI(ワサピ)+PlayPcmWinを使って音質向上


先日、加圧トレーニングのインストラクターから聞かれたのが、PCへのブルーレイ導入について。どうも、映画をみるという事に加えて、トレーニング中に高音質で曲を流し続けたいというのが目的である様子でした。

私も非常に興味が有るところなので、改めて調べてみたのですが、PCオーディオが思いのほか盛り上がっており、これがすごく面白い。

オーディオもウイスキー同様、深い嗜好性が介在する世界のように思われますが、PCでのビットパーフェクトな再生を考える限り、理論的に選択肢は少数で、ハードの選考に手を掛ける前にも、相当やれることがありそうなことがわかりました。

【Windows7 オーディオアーキテクチャの概要】

http://blogs.msdn.com/b/windows_multimedia_jp/archive/2010/06/28/4-windows7.aspx

Windowsにおいては、vista以降「排他モード WASAPI(ワサピ)」の利用によって、OSの標準ミキシング処理をハイパス(つまり乗り越え)可能になり、レイテンシと正確性において大きなメリットを享受できるようになりました。

楽器でもそうですが、原音を正確に取り出した上で、増幅、嗜好性をプラスするというのが基本的かつ重要な要素。この技術をふまえて(いわゆる)無圧縮メディアファイルの再生するため、排他モード WASAPI環境で利用出来るプレイヤーを探します。

【PlayPcmWinのページ】

http://code.google.com/p/bitspersampleconv2/wiki/PlayPcmWin

【特徴】

量子化ビット数16、24、32ビットの2チャンネルステレオ非圧縮WAVファイル再生に対応。
量子化ビット数16ビットと24ビットの2チャンネルステレオFLACファイル再生に対応。
量子化ビット数16ビットと24ビットの2チャンネルステレオAIFFファイル再生に対応。
再生リスト。ギャップレス再生。
CUEシートの読み込みに対応。
WASAPI排他モード使用。Bit perfect再生可能。
WASAPI排他 タイマー駆動モードとイベント駆動モードの切り替え機能。
再生スレッドの優先度設定機能。
再生スレッドはネイティブC++で書かれており、音声データを全てメモリに読み込んでから再生するため、再生時のCPU負荷が低い。低レイテンシ設定で音切れの可能性が減ります。
ユーザーインターフェースのコードは .NET Framework 4.0のC#で書かれています
Windows 7に対応しております。Windows XPでは動きません。Vistaは、WASAPI排他モードは動きます。
ノンリアルタイム(低速)アップサンプリング機能。

当方環境(win7 64bit)ではfoobar2000の「foo_out_wasapi」アウトプットプラグインでは、環境的にシビアで、処理落ちが多発してしまいました。駆動モードも排他タイマーモードのようなので、上記PlayPcmWinが現状最優良であるように思います。

聞き慣れた音源を、使い慣れたPCで再生すると、もう、音の太さが全然違います。

【総論】

マザーボードのオンボードサウンドチップしかないノートPCでも、ヘッドフォンで聞いてみましたが、かなり音質が向上しました。

こだわるとキリがないのはウイスキーと同じだとおもいますが、USB-DACも廉価に購入できるようになりましたので、ノートPCでメディア再生→USB-DAC→(アンプ)→スピーカーでも、この方法なら手軽にかなり良い線まで行けるのではないでしょうか。

排他モード WASAPI(ワサピ)。極太ボディのウイスキーのように、音の密度が極めて濃いです。

全く追加投資なしで、ここまで激変するとは驚きでした。

AVメディアに関しては、そのままプレイヤーで聞くよりも、一度リッピングしてHDDから再生するほうが、情報量が多いのではないかとさえ思えます。

リッピングにはEAC(http://www.exactaudiocopy.de/)を用い、Flacファイルで出力しました。フリーデータベースから、曲目、アルバムジャケットをダウンロードして、半自動的にタグ付け可能ですので便利です。

PlayPcmWinを使われたことのない方には、ぜひ一度体感してみていただきたいなと思います。

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