whiskylink

グレンドロナック GLENDRONACH 1972-2010 37yo OB for WHISK-E #703 54.4%

GLENDRONACH 1972-2010 37yo OB for WHISK-E #703 54.4%
one of 439 bottles
Matured in:Oloroso Sherry Butt

・香り
オールドと見紛うばかりの高貴なシェリー感、コーヒー、ビターチョコレート、ベリージャム、かなりの陶酔感、湿った土、温かい印象、黒糖、ブランデー系のブドウ感、濃い紅茶、正月の黒豆、ウッディネスはアンティーク家具のよう、レーズンなどドライフルーツ、麦感は決して強くないが少し焦がし麦、レザー、かなり濃厚で複雑。

・味わい
素晴らしく高貴なシェリー感で陶酔感あり、ベリージャムや濃厚な味のブランデーケーキ、クローブ、シナモン、ねっとりした甘味も強いが、焦げ感や渋味も強めで後半の甘味の広がりは抑えられている。甘酸っぱさもある。口蓋や舌の水分が奪われるような収斂性はやや強め、わりとしっかりしたハイプルーフのスパイシー、ボディもかなり厚い。

・余韻
高貴なシェリー感がそのままかなり長く残る。渋味や焦げ感も伴うが、非常に陶酔感のある余韻。

・加水
迫力は減るが加水では崩れず、収斂性のある渋味が和らぎ甘味が後半にも広がるようになる。

・総評
長熟のためやや渋味は強めだが、非常に高貴で陶酔感のある素晴らしいオロロソシェリーバットのドロナック。

【Very Good/Excellent】
 

それほど数があるとは思えませんし、きっとそのうち伝説と言われるであろうドロナックオフィシャルボトルの1972オロロソシェリーバット熟成。
全世界向けの#719、メゾン向けの#705ときて、次に飲んだのがこの日本向けの#703だったと記憶しています。
当時、どれが旨いかという話によくなりましたが、どれも旨いです。(笑)
というか、その後にリリースされたいくつかの1972オロロソ熟成のものも含め、若干のフルーティや渋味の強弱くらいで、私としては飲み比べなければ基本的にほとんど同じ味だと思っています。

とにかく最初に出てきたときには驚きました。オールドボトルでしか出てこないと思っていたシェリー感だったからです。陶酔感も申し分ありません。ここ数年のニューリリースではピカイチの衝撃度でした。

最初の2本が国内価格50000円近くとかなり高額だったのに対して、この日本向けのものは、30000円程度と比較的良心的でした。もちろん安くはないですが、内容を考えればCPが良いともいえると思います。バットで日本向けだったため本数も結構あり、さすがに最近は見ませんが、長い間流通してましたね。当時、知り合いから高くてもよいから美味しいものと聞かれた際には、迷わずこれをおすすめしてました。前述のとおり私にとっては飲み比べなければ差がほとんどないと思えるこの一連の1972オロロソシェリーバット熟成、この日本向けを自分でも一番買いました。かなり貧困に喘いだ記憶がありますが、当時の自分を褒めてやりたいです。(笑)

2010ボトリングの最初の時点で長熟のウッディネスと渋味が強めにあったことを考えると、今後熟成がさらに長くなって美味しくなっていくことは考えにくく、もしまだ蒸留所に樽があるならさっさとボトリングして、それを今後リリースしていって欲しいものです。そうはいかないんでしょうけど。。。

ちなみにこのボトル、久しぶりにバリシェリーの美味しいものが飲みたくなって開栓したのですが、テイスティングが終わっていつ投稿しようかなぁと思っていたら全く同じボトルをくりりんさん・ゴーヤーさんがWLに投稿してました。先を越された上に概ね似たような内容ですが、せっかくじっくり飲んだので私のノートも載せちゃいます。(笑)

T.Matsuki

モバイルバージョンを終了